こんにちは、KENです。
遂にこの時がやってきました。
このブログを始めてはや4ヶ月。
もともと転職についてのブログというわけではありませんでしたが、割とそれ関係の記事も多かったので、一つの締めとして書きたいと思います。
タイトルにも書いた通り、明日、退職する旨を会社に伝えてきたいと思います。
もともと入社をした時から、今の会社に一生勤めようという考えはありませんでした。
「いつかは転職をするんだ。」
そう思い描いてはいたものの、気づけば5年以上の時間が経っていました。
頭の中で会社に退職の旨を伝え、羽ばたいて行く自分の姿を想像しては、
「今じゃないかな」
目の前の仕事や生活に追われ、妄想で終わっていました。
そんな妄想が、遂に明日、現実になります。
「転職なんて、今時当たり前でしょ??」
そう思います。でも、いくら世間で当たり前だからって、個々人で見れば「未知の領域」というものは沢山あります。
今でこそ自分には当たり前のこと思っていますが、正社員で働くということ自体、僕には珍しい、いや、貴重で高い望みでした。
僕の両親は、正社員で働いた期間がほとんどありません。
父は曽祖父の会社を継いだものの、会社のお金を使い込んでしまい、僕が小学生の時に自己破産。それからはアルバイトや出稼ぎで何とか仕事をつなぎ、正社員という形できちんとお給料をもらっていた期間は僅かしかありません。今は内職に近い仕事をして、少ない給料をもらっています。
母も専業主婦から家計の関係でパートや非正規雇用でした。
だから、正社員であること、特に公務員になることを口癖のように僕ら兄弟(僕には妹と弟がいます)に言っていました。
また、ボーナスなんてもらったこともないので、ニュースでボーナスの話題が出ると、「いいね〜、ボーナス。みんなはちゃんとボーナスが出る会社に入るんだよ。」とも言っていました。
家庭に正社員がいなかったので、全く想像がつかなかったのですが、ボーナスが出て、安定していること。いかにそれが素晴らしいことなのかというのは身に沁みて感じていました。
そんな環境で育った僕は、大学卒業後、今の会社に就職します。
従業員数は1万人以上。全都道府県に支店をもち、大人から子供まで知らない人はいない大手企業です。
福利厚生は手厚く、給料も安定しています。ボーナスもちゃんともらえます。休日にサービス残業することもあるけど、休暇もそれなりに取れて、今月だって3連休を3回組んでいます。
その上、上司や同僚にも恵まれ、仕事上の人間関係で悩んだことはほとんどありません。
本当に夢のような「正社員」生活です。
両親がいくら願っても手に入らなかった「正社員」という地位を手に入れたのです。
藁をもすがる思い出内定をもらい、それを聞いた家族は本当に喜んでくれました。
僕自身も嬉しかったですが、その理由は家族が喜ぶ顔が目に浮かんだからです。ここまで育ててくれて、応援してくれてありがとう。
心から感謝しましたし、自分の責任を果たすことができたと達成感を得ました。
つらつらと思い出話を語りましたが、何を言いたいかというと、今の会社に勤め始めた時点で、僕の中では人生のゴールの一つに到達したということです。
そしてそのゴールは、人生でこれ以上何を望むのか?我が家としてはそんなレベルなわけです。
だから、「転職」と一口に言っても、僕にとっては見た目以上に重たいことなんです。
頭で描きつつ、動き出せなかったのは「転職なんて贅沢なことを言うな。今の自分だって、もう十分頑張って成功したんだ」
そんな思いがあったからかもしれません。いや、今でも少し感じていますし、だからこそ、僕には未知の領域なのです。
ゲームで表せば、僕の人生はボスは倒し、一度エンディングを迎えた状態です。
このまま贅沢な余韻に浸ることもできますし、強い武器とレベルを引き継ぎ、2回目、3回目のクリアを目指すこともできます。
が、僕はそれを良しとできませんでした。正確には、楽しむ気持ちになれませんでした。
「やりがい・情熱・目的・成長・楽しさ」
言葉で表せば様々ですが、今の「仕事」と本当に向き合ったとき、どれも感じることが出来なくなっていたのです。
両親はもちろん、きっと他の人に話したとしても「今の会社をやめるなんて勿体ない」と言われると思います。
僕もそう思います。でも、勿体ないという思いで続ける仕事は、投資で言う所の「サンクコスト」に似ています。
せっかく入ったのだから、安定してるのだからと言った理由で選択をしてしまう。
果たしてそれが正しいかと問われると、理由は実に曖昧です。
本当に自分の気持ちと向き合ったとき、人生を真剣に考えたとき、僕の中で出た答えは、全く新たなスタートを切るという選択でした。
既にクリアしたゲームを遊ぶのではなく、新しい舞台に立ち、挑戦すること。
1からレベルを上げ、自分を鍛え、仲間を集め、まだ見ぬ景色や世界をこの目におさめること。
振り返れば、遥か彼方に昔の僕がいる。
自分のためではなく、両親のため、祖父母のため、兄弟のため、柱となって責任を果たそうと自分を追い込む男がいる。
彼は必死に戦った。
母は亡くなってしまったものの、妹は立派な社会人になり、弟も大学生活を楽しんでいる。父も、ほどほどに元気だ。
務めは十分かと言えば、まだもう少し足りない気もするが、彼の性格上、いくらやっても足りないと言いかねない。
もうそろそろ、自分のためだけの選択をし、自分のための人生を始めてもいい頃だろう。
彼の努力と思いは、今も僕の中に生きているし、その力がきっとこの先も道を切り開く手助けをしてくれると思う。
今日まで応援してくれた家族、友人、先輩、後輩、同僚、妻に感謝。
なんだか後半はエモい文章になりましたが、退職を願い出た結果についてはまた書きたいと思います!!