9月10日(月)に『BOOK LABO TOKYO渋谷』で開催されたイベント、
【実践・転職の思考法〜転職をアップデートしよう】に参加して来ました。
このイベント内容はタイトルにある通り、『このまま会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む転職の思考法』の著者である北野唯我さんが登壇し、内容やご自身の考えについて語るというもの。
転職活動をする中で著書を読んでいた事もあり、この機会に直接ご本人から本の内容やお話を聞いてみたくなり、東京まで行ってきました。
初めて北野さんにお会いしましたが、
「頭いいな〜〜〜〜〜。」という小並感半端ない印象を受けました。一体どうやったらあんな人になれるんだ!!
今回の記事では、対談での話をいくつかピックアップしてまとめていますので、書籍と併せて読んでもらえば、より一層理解が進みます。
ちなみに今回は対談形式で、北野さんのお相手は大学ゼミの先輩にあたる西村創一朗さんが務めていました。これもまた一つのご縁ですね〜。
では、早速対談から学んだ内容をお伝えします!!
北野さんも最初の転職は怖かった
意外ですよね!
北野さん自身は結構ビビリな性格なんだそうです。石橋を叩いて壊しちゃうタイプ。
1社目の博報堂を辞めると辞表を出した時も、実は次の仕事は特に考えていなかったとか。そのせいで辞表を出してからは毎晩眠れない日々を1ヶ月ほど過ごすことに・・・。
眠れない、仕事やめる。その恐怖心を克服するために北野さんが取った方法。
それが「自分を論破する」だったんです。自分が不安と感じる要素を5つぐらいに絞り、それに対する論理を組み立て、論破する。
不安から毎朝5時過ぎには目が覚め、そこから30分間で自分を論破。それを毎日行い、最終的には乗り越えたそうです。
「変わってる!!!!」
ロジカルな性格と自分でも言ってましたが、言い換えるとめんどくさい人ですね(笑)
その後、1年半ほど海外を放浪し帰国。日経企業を受けるも職歴にブランクがあるために尽く選考に落ち、外資かベンチャーと思っていたところ、最終的にはBCGへ入社されます。
この時、貯金も底を尽きかけ、面接などは夜行バスを使って移動されていたとか。そこからのBCGという落差がまたすごい。
1回目の転職は、北野さんでも怖かった。でも、2回目は違ったそうです。
転職・キャリアにおける梯子が外れる時
BCGへ行った北野さんは、2年と経たずに2回目の転職を決意します。
1回目は眠れないほど恐怖を感じた北野さんが、2回目は一切の不安なく転職に踏み切った。
しかも、従業員が10人に満たないベンチャーへ。
不安なく転職に踏み切れた理由は「キャリアの梯子」が外れていると感じたからだそうです。
「キャリアの梯子が外れる」とは、自分の市場価値が一定の水準を超えたという事だそうです。
つまり、少なくとも次で失敗をしたとしても、今のキャリアとスキル等を総合して考えれば、すぐに立て直しが出来る状態に達しているという状態です。
この視点は非常に勉強になりました。次の話にも繋がりますが、キャリアの梯子が外れると、見える世界がもう1段階上がります。
市場価値を下げるために転職をする人はいません。では、上げるとすればどの位か?
その一つのラインが、失敗しても食いっぱぐれない=キャリアの立て直しがすぐに出来てしまうレベルと言えます。
どんな業種、どんな経験、キャリアを積めば、市場価値の生き閾値を超えるか。出来る限り早く超えられる環境や仕事を選ぶというのは、一つの軸になり得ます。
さて、「失敗しても立て直せる」そう感じた北野さんは、これまでとは違う領域=人材領域に飛び込みます。
ここで、本書に登場したtodoとto beingの話が出てきます。
2回目の転職において、本質的にやりたい事に辿り着く
コンサルでのキャリアを築く中、梯子が外れると同時に、ある人との話から自分にとっての「to do」が何であるかに気ずき、HRの領域へ携わることを決意。ワンキャリアへと入社されます。
書籍の中でも「to do」と「to being」という2つの思考が出てきますが、北野さんはこの時「todo」を求めてコンサルを辞めます。
マーケットバリューが十分に高まったからこそ、やりたい事へもチャレンジ出来るようになったとも言えます。
書籍の中でも「to do」型の人間はやりたい事が明確なので、嫌な事でも手段を選ばないと言い切れる。
そして、やりたい事をやれていれば「楽しい」という状態を維持できる。
一方で「being」型の人間は、自分と環境によって「楽しさ」が左右される。
だから、
①自分のマーケットバリューを高め、求められる仕事との釣り合いを取る
②自分に嘘をつかない(売りたくないものを売る等)状況を作り、自分を信頼する
という2つが重要になります。
少し脱線しますが、もし今の段階で「どうしてもやりたい事」があるのなら、迷わずそれを選択すべきでしょう。
もし無いのであれば、①と②から次の仕事を選ぶということになります。どちらが理想という訳ではなく、これは自分の状況に併せて考える方が良いと思います。
僕の場合、実は「todo」と「being」が半分ずつです。だから、両方の要素をミックスして転職の軸を考えるようにしています。
転職の思考法の真髄は?
次は実際にどう「思考」するのか?
北野さんが実践している思考法は大きく4つのレイヤーに分かれており、
①好き・嫌いの理由づけを考える
②ロジカルな思考
③アナロジーの活用
④パースペクティブな思考
という構成です。
言葉の通りな部分もありますが、正直に言うとこれをどう転職活動に用いるかまでは聞けませんでした。
転職の思考法をふまえ、その他勉強になったこと等
①アウトプットの本質とは?
アウトプットが大事と言われますが、その本質とは「発信する」という事ではない。
アウトプット=全体の富を増やすことである。
聞いた瞬間は思わず唸りました。
ブログも同じく、ただの日記に価値はなく(著名人は別)、書いた記事によって読者に何かをもたらしてこそ、アウトプットの価値があります。
分かっていたつもりでも、「全体の富を増やす」と言う言葉で聞くと感じ方が違ったのです。
そこに衝撃を受けました。
②やりたい事がない=知らなだけ
「好奇心の燃料は知識である」ある物理学者(名前は失念)の言葉だそうです。
やりたい事がない人は、まだ自分で見つかっていないだけ。
やりたい事が勝手に降ってくることはないので、色んな事を見聞きして見つける。
僕もこれには同感です。大学時代、自分にとって本当に意味が何か本気で悩み、1ヶ月ぐらい廃人になった時期がありました。
その時自力で導き出した答えが、「地図」でした。
RPGなんかでも、スタート当初の地図って行った事のないエリアばかりで何も分からないじゃないですか。
でも、少しずつ自分の足で開拓していく事で、世界が広がり、地図が出来ていく。
自分はまだ暗い地図の真ん中に立っているだけだ。意味があるかどうかは、まず歩いてみないと分からない。間違っていても、意味がないと思ってもいい。どちらにしても、地図は広がる。
我ながらよくこの真理に気づいたなと(笑)
で、更に付け加えると、やりたい事=楽しい状況に至るには、「出来た」という自信・達成感が必要になる。
これは西村さんが言ってましたが、「出来る!」という小さい成功が積み重なる事で、「やりたい」と思い、のめり込んでいく。
つまり、「好き」が先ではないんですね。そこに至るには多少超えるべき壁があると。
この話も納得でした。僕なりは、「can」と「like」は卵か鶏。でも、どちらかがあれば自然とそのスパイラルに入ると思っています。
③専門性がない人が大半
参加者のQAコーナーで出た話題です。
「社会人5年目ですが、専門性がありません。どうしたら良いでしょう?」
これに対し北野さんは、
「日本の大企業の大半は、専門性が身につけにくい状況。そこまで嘆く必要はない」と回答しています。
総合職が大半なので、多少業界による偏りはあれど、プロフェッショナルを育てる環境は少ないという理由です。もし今同じように悩んでいる人がいれば、この点はあまり悲観する必要はないかもしれません。
さて、色々と書きましたが、主なポイントはお伝えした通りです。僕も早速明日からの転職活動に活かしていきます。
書籍本編は、転職活動を考えている人はもちろん、「転職する気はないけど、このままでいいか悩んでいる人」にとっても、気づきを得られる内容です。
今までにありそうでなかった転職のバイブル。一読の価値大いにありです。